道路際のストック。
さて、鬼と言えばですが、幼少の頃、祖母の古い家には廊下の鴨居に、恐ろしい古い木彫りの般若面が掛けてありました。
何を好き好んで、このような化け物のお面を家の中に掛けていたのか、当時はさっぱりわかりませんでした。
何しろ昼見ても、身の毛のよだつ恐ろしさ。
角は鋭いし、口は裂けているし、目は吊り上がっています。
彫りこんであるので、暗い影になっていて、それはそれは深い怨念が感じられるものでした。
夜一人で目が覚めて、トイレに行こうというときは本当に困りました。
どうしても、あの鬼の面の下を通らなくてはならないのです。
真っ暗なようでも、そこには鬼の面の妖気がビシビシと漂い、一際の難所となっておりました。
トイレ行かなきゃいけないし、また、戻らなくてはならないし。
生唾のみ込んで駆けて行きましたよ。
布団の中に戻ってからも、怖くてしばらくは寝付けませんでした。
いまはもうすっかり取り壊されて、跡形もなくなってしまった家ですが。
思えばいろいろ趣のあるものが飾られていました。
は~。懐かしくも怖い思い出です。
今の家は明るくて、鬼の住む間もないようですが、どっちかというと私自身が鬼かも。
はいはい。鬼は外です。
内なる鬼を豆まきで発散させましょう。
青鬼の走る木廊福は内
節分やたすき掛けして鬼面射る
すっきりと鬼を払ひて冬の果