花とウォーキングシューズ

お花写真と俳句などです

雨の前に


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 流鶯の朝方の空明るくす

春先はおぼつかなかったウグイスの鳴き声が、自信を深めたように大きく聞こえます。朝方散歩をしていると、広い庭を一人で手入れしている女の人がいたので、声をかけて花の写真を撮らせていただきました。だんだん写真が雑になってきましたが、上がその花です。ボタンキンバイかもしれません。珍しいです。私には初めての花でした。

今日は午後から雨だそうです。ボタンといえば、ピンクの牡丹が庭で三輪も咲いたので、雨で傷む前に今度は遠慮なく切って花瓶に差しました。甘く深い良い香りがしました。先に咲いた白の牡丹にはまるで風格すらあるように感じましたが、ピンクはピンクできれいな女の人が笑うようにとても華やかでした。しばらく卓上で楽しめそうです。

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写真はアイリスです。きりっと屹立しています。いくら覚えようとしてもあやめ系の花は区別がつかないのですが、このアイリスとは西洋あやめのことだそうです。鋭く咲いているので、曇っていても朝が引き締まる感じがします。

 並び立ち高きを求むイリスかな

 

下は月見草。気が付けばさりげなく足元に咲いている花です。黄色ではないので名前を間違えやすいのですが、ぼうっとやわらかく灯りをともすように咲いているようすがやはり夜空の月を思わせるのかもしれません。
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 隠しごとほのとささやく月見草

夏の気配濃厚に

今週のお題「好きな公園」

良い季節です。近所の公園のツツジに、フジの花に、たくさんの蜂が集っています。

 咲き満ちて蜂の羽音に喜べり

近所の子供たちもいつになく虫取り網など持ち出して、蝶を追いかけまわしています。その網から逃れた孵化したばかりと思われる小さなクロアゲハが以下の通り。

 幼きに翅を痛めて初揚羽

蝶の羽が栄養を取ることによって、回復するものなのかどうか、私にはわかりませんが、それでも子供たちには屋外で元気に駆け回って遊んでもらいたいと思います。ですから蝶がたっぷりの数を育つ環境があればよいのでは。などと、素人ながら無責任に感じます。

蝶に限らずどのようなものにせよ、当座、手を施すすべのない痛ましいものは見たくはありません。その傷は見る者にも大きな傷を与え、日常を台無しにします。無視もならぬ、どうもしようもないものにどう付き合うか。当座は、気持ちを切り替えて花の姿を負うことだけに専念したいです。個人的な喜びではありますが、花を見つめ、シャッターを切る瞬間の集中は、そのほかのすべてを無に帰します。精一杯に、リーズナブルな範囲で、生の喜びを意識的に追求したいと思っています。

それにしてもこの時期かわいい花は、なんといっても足元に咲くスズラン。下を向いているし、いくつもの花がついているので、スマホでは全体にピントを合わせることが難しいのですが、花壇の持ち主に頼んでゆっくり撮影させていただきました。毒は強いそうですが、この清楚な北国の花を喜ばない方は一人もいらっしゃらないことでしょう。

 青空に鈴蘭の花手向けたし

 

ピンクの牡丹咲き始む


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生きる地獄に死ぬ地獄。同じ地獄に住むならば、牡丹の花咲く現世をせめての花の便りかな。

私は統合失調症です。昔で言うなら狂疾の身です。幸いにして月一本の注射で日常生活はほぼ大過なく過ごすことができます。しかし、仕事が一切できません。人との交わりに困難をきたします。と、いうか長く付き合っていると、いつか病気の気配を嫌がられ、疎まれ、遠ざけられます。

どうしようもなく周囲に多大なる迷惑をかけ続けて生きています。結婚の夢は無理難題。かといって一人で暮らすこともできず、扶養家族となって、老親の世話になっています。

この先を思うと、ぞうっと冷や汗が出てくきます。と、いうのも、勝手知ったる長期療養病棟に長居できるかと言われれば、1週間で絶望し、退廃し、死ぬのを待つだけの状態になり果てること間違いないからです。ほどほどにお嬢様育ちのおばさんなんで、あの環境に順応できるとは到底思えないのです。

なんらかの手を打たなければ、と気持ちばかり焦りますが、何しろ仕事ができないので方策がありません。行き場のない心と体を散歩とスマホに託しつつこのような駄文を書き束の間の慰めとさせていただくばかりです。

どうか、ご縁あってこのページを開くこととなった皆様、なにとぞ死に物狂い物狂いの病人の言葉をお目にかけてしまうことをお許しくださいませ。嘲笑なり、唾棄なり、あらゆる侮辱は当然私のものとさせて頂きます。

かの斎藤一人さんのお言葉によれば、人は死んでも魂は死なないとか。私ももっともなことだと思っています。いうなれば輪廻転生を信じているのです。生きるも死ぬも同じ身の上ではありますが、自ら命を絶ってはしばらくの間一人っきりで暗い中を漂っていなければならないでしょう。それならば苦しくてもこの世には人がおり、花が咲いているのですから、できるだけこの世に留まり、直に言葉を交わすことはかなわなくても、心のうちをどなたかと分かち合うことができればと、微かな望みをこのページに託すばかりです。どうかどうか、ご容赦のほどお願い申し上げます。

 再びの牡丹の息の柔らかき

 

 

牡丹散って打ち重なりぬチリレンゲ


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休む休むとか言っておきながら、好きなことはついついやらずにはおれない性分なのでした。所詮無職の身の上、やり過ごすには工夫に困る時間ばかりがあるのです。

牡丹はすっかり開いて散りはじめました。雨風の恐れがあります。これ以上のダメージを与える訳にはいきません。ためらう家族を説得し、緊急にハサミを入れ、転がっていた花瓶に水をくんで挿して、居間に避難させました。

そうっと手を触れると、ガサッと音を立て、ガラス面のテーブルに花びらが一塊り落ちてゆきます。現れたのが、中華スープを飲むときついてくるチリレンゲのような花びら。大きさといい、形といい、ため息が出るほどそっくりです。

思わずその上にピンクや黄色の愛らしい金平糖を乗せたくなりました。でも実現したのは下の通り。
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手近にあって美しく映えるものはこのようなものしかありませんでした。

 現し世の少し辛きを散る牡丹

 

下は遺影。ご覧の通り、花は、雄々しく白いライオンのような面影だったのです。あの姿をもう一日でも長く留め置きたい思いでした。

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 在りし日の豪奢を思ふ牡丹の忌

 

しかしずっと泣いてばかりいてはいられません。春もたけなわ。他の花はどんどん咲いてゆきます。粗製乱造ではありますが、前進してゆきましょう。次は深藪のような庭で一枚。
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 咲くものの息吹に縮む蝸牛

 

今日は雨上がりの好天でした。外に出ればことのほか、牡丹のことを忘れ去って、気持ちよく散歩をすることができました。下の写真、おなじみのアリさんがいますね。街中の花壇に咲いていたツルウツボです。海の暴れん坊、ウツボの名の通り、なかなか獰猛な姿かたちをしています。
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 春泥の海の底より這い来たる

 

さらに白いアイリスが空っぽのお腹を見せています。
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 空腹を抱えているか春の昼

 

人知れず、このようになり果てた私の人生です。たとえ彼の地で戦争が起こってしまっていても、あらゆる可能性を潰した現在、仕事はおろか、全てのご奉仕は務まり得ない状態なのです。実に、恥ずかしさの極みではありますが、遊ぶことしか能がなくなりました。恐れ多いこととはいえ、こうなってしまったからには、もはや必死の思いで遊ぶ覚悟です。人の運命とは数奇なもの。また他の彼の地では、命がけで踊らねばならない定めの方々もたくさん居られるのですから。

 ひとすくい春の苦みをちりれんげ

 

 

天使様、傘を!


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性懲りもなく雨の日に撮影しています。こないだのエビネです。咲ききったら、花の中からおかっぱ天使が現れました。
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そこいら天使だらけです。有り難し!!!

 古庭に天使の宿り花えびね

こんな写真のあとは、ゆっくり休むしかないですね。ここのところずっと連投してましたが、ちょっと間を置こうかな。お付き合いくださった方、ありがとうございました。

This angel will help you your all dreams be true.

英語、おかしくないといいですが。

赤とスマホは…


数ヶ月前に、スマホ落として壊したので新調しました。それまではシャープのアンドロイドでした。本当はその機種を続けて使いたかったのですが、接写ができると言われ、安かったしOPPOに恐る恐る手を出しました。
韓国製だと思っていたのですが、中国製だそうですね。中国の人々は赤い色を大変好むと聞きました。OPPO、赤が綺麗に出るんです。
日本製はくすんだ色になりました。反対に、青は綺麗でした。数年前買ったものでしたから、今は色調も変わっているかもしれませんけど。
日本製のスマホはしっとりした色合いになる気がします。音楽もなんでも日本はしっとりと柔らかいですね。
OPPOはくっきりどっきりって感じです。
お国によって、メーカーも力点が違うんだなあと、勝手ながらに思っています。もっとも、もう毎日充電しなくてはならなくなってますが。上の写真はクリムゾンクローバー、下2枚はチューリップです。

赤、綺麗じゃないですか?

あ、見る機械によって色も違ってくるでしょうね。この話、通用しないかも。
それと、名句を添えるの撤回します。やっぱり少し冒涜になりそうですので。

 咲く赤や空耀うて暮の春

朝の道


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上はオオアマナ(キジカクシ科)。野道に咲いていました。アマナ、ハナニラと似ているようですが、一本の茎から何本もの茎が広がるように出て、それぞれ花をつけています。黄色の雄蕊が冠の先についたようで不思議な形。ナガミヒナゲシと接近して咲いていました。明治に渡来した観賞用からの帰化植物。有毒だそうですが、清潔な印象でした。オーニソガラムの名で園芸店で販売されているそうです。花言葉は潔白、純粋、無垢、才能とか。

風の少ない曇天でした。

  てのひらに重たそうなる春の雲

下はエビネ(ラン科)。ひとつ、ふたつと咲きかけています。うつむく花より色の濃い蕾のほうが強い意思を持つ印象を与えます。咲くとほっと笑う気持ちになるのかもしれません。
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 隠者には隠のたのしみ花えびね  林翔

 

なんて書き方にしようかとも思ったけど、やはりギラギラとスマホで遊びたいです。クサイチゴ〜!!

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