道路の真ん中に横たわってるので、もしかしたら魂が抜けているのかもしれないと思った猫でした。
拡大します。
くるっとこっちを向いた顔が恨めしげです。邪魔しないでよー。寝てたのにー。
それにしてもいつになく心が安定してしまって、ここでおしゃべりが止まりまん。
もうちょっとおしゃべりしたいので、趣味の刺繍について話そうと思います。
元気がないとき、何もする気力がわかないとき、刺繍をすることはとても助けになっています。
刺繍の図案はなかなか気に入ったものがなくてとても困ります。
でも自分で図案をデザインして色を揃えるほどの才覚はありません。
文句ばかり多い消費者です。
刺繍はコロナで家時間の多くなったためか、いま流行しているようで、次から次へと新刊書が出ます。
私はもっぱらそれを図書館で借りることにしています。
たくさん見ていくと、一番美しいのは白糸刺繍、ホワイトワークなのかなあと思うよになりました。
白一色の糸で刺す長い伝統のある刺繍です。例えばこんなの。
様々な色糸を使うと楽しいけれども次第に飽きがくるような気がしてしまうのです。
でもホワイトワークは布を切ったり、輪を作ったり、難しい技が必要で、すぐ汚れてしまいそうです。
不器用で根気のない私は手を出す勇気がありません。
結局インターネットであれこれ見比べて、手に入れたものはロシア製のクロスステッチのキットでした。
フランス製のクロスステッチのキットは繊細で都会的です。美しいのですが少し値段が張ります。
デンマーク製も素朴でいいようもなく可愛らしいのですがこれも値段が張ります。
ロシア製がデザインもお値段も私には手頃なような気がします。
程々に可愛く綺麗で温かい感じがします。
日本製は丁寧な作りなのですがデザインが少し穏やかすぎる感じがします。
それぞれのお国柄が感じられて面白いです。
で、時間を持て余した時、ハサミと道具を出して、ゆっくりゆっくり音楽を聴きながら刺します。
外国の絨毯製作ではありませんが、1日1.5センチ四方が限度です。
今はピンクの一重の薔薇の図案です。
グラデーションになったピンクの糸の束から一本引き抜いて、先の丸い針に通し、ベージュの麻布の糸目を手で探りながら刺していきます。
時々糸に結び玉ができてしまうので、それを慎重にほぐします。
こんな単純作業を繰り返していくと、少し荒れていた心が整っていくのを感じます。
刺し終わったところを見ると、ピンクの雲が広がっているようです。
裏を返して見て、綺麗な痕跡だったら満足します。
その間音楽は NHK FM 流しっぱなしでお任せです。
さすがにロシア製のバラの刺繍には長唄は合わないような気がするので、邦楽の時間になったら手を止めます。
先日はスティービーワンダーを聞きながらの刺繍でしたが、のびのびと歌い上げる彼のことを改めて知る機会になりました。
クラシックもとてもいいですね。
ひぐらしや生の悲しみ訴えて
法師蝉生の欠落訴えて